シェリー(酒精強化ワイン)とは?
スペインではシェリが有名ですが、そもそも「酒精」の読み方が分からない、ピンと来ないという方もいるかもしれません。
酒精は「しゅせい」と読み、簡単に言うと「アルコール」の漢字版になります。
酒精強化ワインは、他のワインと比べてアルコールが強めになっていると考えてもらえばいいと思います。
ではこちらのワインは、一般的なワインと比べると、どれくらい強くなるのでしょうか?
通常のワインもアルコール度数が高いものの酵母が正常に作用しなくなり、発酵が止まるとされる14%くらいと言われています。
その一方で酒精強化ワインのアルコール度数は18%前後となっており、一般的なワインと比べてその高さを伺えます。
酒精強化ワインは、製造段階でアルコールを加えていき、徐々にその度数を高くしていくのです。
こちらのワインの味が気になる人もいると思いますが、酒精強化ワインは全体的に甘いと言われています。
それには理由があり、製造の過程でアルコールを加えていくと酵母の糖分分解が止まりますが、その時により多くの糖分が残ってしまうからです。
酒精強化ワインは、発酵が進んだときにどの時点でアルコールを加えるかによって、甘さの調整をすることが可能です。
これが他のワインと異なる点になり、甘味のある理由でもあるのです。
一般的なワインと酒精強化ワインとの違い
酒精強化ワインは他のワインと比べて甘さがありますが、その他の違いにはどのような点があるのでしょうか?
様々な違いの中の一つに、製造方法があります。
酒精強化ワインというのは、通常のワインとは製造方法が異なるため、味わいなども大きく異なるのです。
一般的なワインは原料となるぶどうを潰し、そのぶどう果汁の中に酵母菌を入れてから発酵、そして樽で熟成させて製造します。
一方で酒精強化ワインは、原料となるぶどうを潰し、それにぶどう果汁と酵母菌を取り込んで発酵させる段階までは同じですが、そこから先の工程が変わります。
酒精強化ワインは、発酵途中でぶどうで作ったブランデーなどの添加アルコールを加え、さらにアルコール濃度を高めた後に発酵を止めます。
一般的にアルコール発酵というのは、果汁の中にある糖分を酵母が食べながら分解していき、その後にエタノールと二酸化炭素を生成します。
このエタノールが、実はアルコールになりますが、液中のアルコールの分量がある一定量を超えてしまうと酵母が作用しなくなり、そこで分解が止まってしまいます。
その結果、アルコールの生成も止まってしまうことになります。
酒精強化ワインというのは、そのような特性を活用して生産しているのが特徴であり、甘口のワインはもちろん辛口のものまで、様々な種類のワインを作ることができます。
バリエーションに富んだ酒精強化ワインと言えるでしょう。
またアルコールを添加するために、通常のワインよりもアルコール度数は高めになります。
アルコール度数を高めることで、ワインの温度管理が難しい産地であっても、酸化や腐敗のトラブルを気にすることなくワインを保管できるのです。
違いとしては味わいもあり、ワインはアルコール発酵が終わった後に樽で熟成させるのが一般的で、その際にワインの中に残った糖分量の調整で、甘口〜辛口に分類していきます。
それに対して酒精強化ワインの場合は、発酵がどの程度進んだ段階でアルコールを添加していくのかで、甘口〜辛口を分類しているのです。
有名な酒精強化ワイン「シェリー酒」
酒精強化ワインには様々な種類がありますが、その一つが「シェリー酒」です。
バロン ミカエラ ペドロ ヒメネス シェリー酒 スペイン シェリー ワイン 極甘口 フレッシュ 750ml 15%
シェリー酒というのは、スペインの酒精強化ワインになり、食前酒として利用されることが多いのですが、デザートワインとして利用できるものもあります。
シェリー酒は結局のところ、どの段階でアルコールを加えて発酵をストップさせるかが重要になり、それによってワインの幅も広くなっていくのです。
シェリー酒の中でも人気があるフィノは軽い飲み口に定評があり、日本でも評判を呼ぶ人気のお酒です。
日本では、シェリー酒と言うと一般的にフィノの味わいを指すことが多いです。
シェリー ワイン バルデスピノ エルカンダド ペドロヒメネス 750ml (73-3)(C287) wine sherry wine