ボルドーワインやブルゴーニュワインなど、フランスと言ったらワインをイメージする人も多いのではないかと思います。そんなフランスでは、「ローヌワイン」も忘れてはいけません。ローヌ地方で生産されるワインは、フランスだけでなく世界的にも人気のワインとして知られており、日本でもたくさんのワイン愛好家から親しまれています。そんなローヌワインの魅力について紹介します。
ローヌワインが生産されるローヌ地方とは
ローヌワインが生産されているローヌ地方は、フランス南東部にあるローヌ川流域に位置してします。
ローヌ地域は、大きく南部と北部とに分類でき、南北は200km、東西は100kmにも及ぶなど、その広さを知ることができます。
ボルドーやブルゴーニュワインなど、フランスには有名なワインがいくつかありますが、その中でもローヌはボルドーに次ぐ広いワイン産地でもあるのです。
ローヌ地方には南部と北部の地域がありますが、北部と南部では実際に生産するワインの特徴が大きく異なります。
ローヌの北部地方では、赤ワインはシラー、白ワインはヴィオニエ種のブドウで主に造られており、南部の地域では様々なブレンドで造られているワインが多いのが特徴です。
ローヌ地方では、北部と比べて南部の栽培面積が広大であるということもあり、多くのローヌワインが南部の特徴を持っていると言われています。
フランスの5大ワインのひとつ ローヌワイン
フランスというとワインというように、フランスはワインの生産で有名です。
そんなフランスでは、5大白ワインがあります。
他の国にはない歴史的な名声を始め、高い品質などから「フランス5大白ワイン」と称されているのです。
そのうちの一つが、ローヌ地方にあるローヌワインです。
各地域のワインですが、ブルゴーニュ地方はモンラッシェ、ボルドー地方はシャトー・ディケム、ロワール地方はクール・ド・セラン、ジュラ地方はシャトー・シャロン、そしてローヌ地方はシャトー・グリエとなり、ローヌ地方のシャトー・グリエはローヌ北部で生産されているワインです。
これはヴィオニエと呼ばれる品種のぶどう100%で造られていて、白い花束や蜂蜜のような濃密な香りに特徴があります。
ヴィオニエで造られているワインには様々な種類がありますが、その中でもこちらのワインは別格とされており、ワイン愛好家からも高い評価を得ています。
このようにフランスの5大ワインには様々なものがありますが、これだけのワインを一度に揃えようとすると、かなりの値段になることが予想されます。
ローヌ地方の南部のワイン
ローヌ地方は北部のワインが有名ですが、南部にも人気のワインがあります。
南部地方は北部地方にあるような急斜面ではなく、全体的に丘陵地帯が広がっているのが特徴で、複数のぶどうをまとめてブレンドしたワイン造りに定評があります。
もちろん北部地方でもブレンドによって生産しているワインもありますが、南部と比べたらその差は歴然としています。
それだけ南部地方にはブレンドワインが多い、ということです。
ローヌの南部地方の赤ワイン用の品種としては、グルナッシュ、シラー、ムールヴェドル、サンソー、カリニャン、テレ・ノワールなどが、白ワイン用の品種としては、グルナッシュ・ブランやマルサンヌ、ルーサンヌ、クレレット、ブールブーラン、ピクプール、ユニ・ブランなどが有名です。
生産されるワインは単一品種
ローヌでは北部地域のワインに人気がありますが、北部はその気候の特質もあって「焼けた」という名称の地区もあるほどです。
それがコート・ロティの「焼けた丘」と、コルナスの「焼けた大地」で、そのような地名が付されることからも分かるように、ローヌの北部地方は南部と比べて特に日照量が多い地域としても知られています。
さらに北部のぶどう畑は急斜面にあるのが特徴であり、そのため太陽の照り付けも高くなっています。
そのようなことから、実際に生産されるワインは単一品種のものが多いと言われているのです。
「法王のワイン」について
ローヌの南部地方には、「シャトーヌフ・デュ・パプ」と呼ばれる地域があります。
ここはアヴィニョンに法王庁が移転された際に、その場所にローマ法王の居城が建築されたことがその由来になっており、「シャトーヌフ・デュ・パプ」つまりは法王の新しい城という起源があります。
この地域で造られていたワインは、特にローマ法王に献上されていたこともあり、「法王のワイン」と呼ばれていました。
法王のワインの特徴は、このワインのために用いられているぶどうの品種の数にあり、13種類もあると言います。